梨の実通信


五十嵐きよみの短歌ブログ。 ぼちぼちいってみたいと思います
by noma-iga
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半過去


川沿いのひかりあふれる草の上に梨の色してならんだこころ

たて笛をだれかが鳴らす音階に幼なじみの名をひそませて

二巻目にまだゆきつけぬプルーストならぶ書棚に春の陽とどく

うたた寝の耳の漏斗にそそがれるとぎれとぎれの隣家のピアノ

もういつのものともつかぬ半券が栞がわりにはさまれている

スワン氏の家は遠くてかつて観た映画の記憶すらもおぼろで

マドレーヌほろほろくずれ昨日から進まぬページのすきまに溜まる

読点(ビルギュル)でつながれてゆく少年が眠りに落ちるまでの快楽

読み終えるまでの歳月 地下室の樽にワインが熟成するまで

さみどりのひかりのような尾をひいて半過去になるふらんす動詞






2005年1月ごろの作。10首中6首が結社誌「明日香」に掲載。
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by noma-iga | 2006-10-04 23:56 | 短歌作品
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